先日完了した「松美台の家」の設計についてです。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=484x10000:format=jpg/path/s0c9cd186372f74fa/image/i8b3b85f6c71bc8c7/version/1654602281/image.jpg)
敷地は北側(海側)へ向かって下る住宅地の一画。
初めて訪れた時の印象は、
周辺の敷地に比べ広く90坪あるため、「ゆったりとしているな」と。
しかし、次第に「難易度高いな〜」へと変わっていきました。
南側隣家は2mの擁壁の上に”聳え立ち”
一方北側は50cm下がり、境界近くに建つ。
一見、ゆったりとしているようで、実は全然そうじゃない....
当たり前に南側に大きな開口を設けても
擁壁をみて暮らすことになるし
陰る時間も多い。
南側の距離をとって、北側に寄せれば、
北側隣家に陰をつくる....
北側にお住まいの方にとっては、迷惑な話だ。
法律上は問題なくても、それはやはり違う。
そこで、敷地を眺めながら、
「北側隣家への光を遮らず、視線の抜けのよい開放感のある」家にしようと決め、
設計をスタートさせたのでした。
まずは、模型を使いながら、ボリュームや形状の検討。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=482x10000:format=jpg/path/s0c9cd186372f74fa/image/ifb8e397331cb6ba7/version/1654602294/image.jpg)
敷地の傾斜や周辺の建物に対して逆らわない素直な形は?
片流れか、三角屋根か。
さて、採光は?
”南側の高い位置の窓から、光を落とし
足りない分は天窓で補おう”
視線の抜けは?
”隣家の外壁を直視しながらは暮らしたくない”
”中庭が良さそう”
”家と家との間を狙って窓を配置しよう”
などと思案を繰り返しながら
”中庭のある家”となる住まいの設計を終えました。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=484x10000:format=jpg/path/s0c9cd186372f74fa/image/if46746dfb4be7beb/version/1654602312/image.jpg)
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=484x10000:format=jpg/path/s0c9cd186372f74fa/image/ideb68776f660022d/version/1654602332/image.jpg)
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=484x10000:format=jpg/path/s0c9cd186372f74fa/image/i69e345ac493a21e0/version/1654602347/image.jpg)
今月末に着工し、11月に完成予定。
この「松美台の家」は、
”建売らしくない”建売住宅を提案している「株式会社とちたて」との
協働プロジェクトの一環です。
完成後しばらくは、モデルハウスとしの活用を考えているそうなので
ご覧いただける機会がありそうです。
以前にも「松美台の家」と同じように、
隣家への配慮をもとに設計した家があります。
「風景に住む」(長野県小諸市)です。
隣家は別荘
そのデッキテラスからの視線を極力遮りたくない。
そこで、半地下にし、建物のボリュームを抑える
見付面積を小さくする、など
”風景を一人占めにしない”を設計コンセプトとした住まいです。
今もこの別荘は空き家になっていないので、嬉しいです。
この設計のお蔭かは分かりませんが。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=483x10000:format=jpg/path/s0c9cd186372f74fa/image/i99c08995d38ea18e/version/1654602373/image.jpg)
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=484x10000:format=jpg/path/s0c9cd186372f74fa/image/ia281f1b59475b371/version/1654602425/image.jpg)