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カドチの家 の建ち方

先日上棟した、「カドチの家」の建ち方について書きたいと思います。

 

新しい造成地での計画。

施主のSさんが購入されたのは、北と西が道路の「角地」。

初めて敷地を訪れた時にはまだ1軒も建っていない状況でした。

*上の写真に見える家は隣の造成地。間には側溝があり境界は2mの離れ

 

南側隣地をはじめ、周りの家がどのように建つか分からない状態です。

何を頼りに、どのように建てれば良いのか......

こういう状況はとても悩みます

 

なのでまずしたことは、、、周りの家を設計すること、でした。

設計と言っても、間取りを考えるわけではなく、

どのあたりに、どのように建ちそうかを想定することです。

車の配置や採光など考慮すると、

一般的にはこんな感じだよねー、とボリューム模型を置く。

そうすると、数年先の造成地の姿が浮かび上がってきます。

 

ここからようやく、この角地にどのように建てるかの思案。

 

 

造成地の入口から敷地に向かうと、ちょうど、この「角」が

目に飛び込んできます。

 

なんだかこの「角」とても気になる....

 

この「角」を使いたい....

 

そこで導き出された一つの答え、「みんなのシンボルツリー」

各々の敷地にシンボルツリーはよく見受けられますが、

「近隣みんなにとってのシンボルツリーを植えませんか」

という提案です。

 

角地ということは近隣の多くの方が目にする場所。

ささやかだけど、みんなにとって安らぎのような存在になったらいいなぁ

という希望を込めた提案です。

 

角にシンボルツリーが植わるとして、あと本題の建物は、、、

シンボルツリーを植えるからには、周りにはスペースを空けたい。

ウッドデッキやベンチがあるといいね、なんて想像しながら

建物を配置を思案。

 

そうなると自然と建物は南側に寄る

 

採光が・・・

隣家の北側の外壁、トイレやお風呂の窓を間近に見ながらというのも・・・

 

結果としては、北側と角に対して開き、南側に水廻りを配置する案。

アプローチから続く通り土間や吹抜から広がりや安定した明るさを得る

計画としました。

 

 

シンプルな外観、素朴な雰囲気、そしてダイナミックな空間。

そんな「カドチの家」は年末ギリギリに完成.... 予定です。